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緑色さんの日々

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「沈んだ歌姫」考察―地図
サンホラ歌詞考察シリーズ第三弾ということで、
今回は「沈んだ歌姫」に登場する地名の考察です。
こちらの場合、中世以降にはリソルジメント以前にイタリア半島を統一するような王国は建国されていないので、モデルとなった史実は存在しません。

ということで今回も地図を製作し、
それぞれの地名の元ネタを紹介するのみです。

※ぜひ聞きながらご覧ください



沈んだ歌姫


フィレンツァ/Firenza
⇒フィレンツェFirenze
  ―15世紀にルネッサンスの中心地として黄金時代を迎えた。
    フィレンツェのフロレン金貨は全ヨーロッパの基準通貨となったため 
    当時の商業における一大中心都市となった。

ナポールタ/Naporta
⇒ナポリ/Napoli
  ―「ナポリを見てから死ね」という言葉があるように、
   非常に美しい町並みの街。
   温暖で太陽が輝き、人々が陽気、というイタリアのイメージは
   この都市が元になっている。

ロマーナ/Romana
⇒ローマ/Roma
  ―言わずと知れたイタリアの首都であり、
    カトリック教会の中心地にして西洋文明圏を代表する世界都市であり、
    「永遠の都」とも称される。

ビスコンティエ/Viscontie
⇒ヴィスコンティ/Visconti
  ―イタリア貴族の家系であり、13世紀にミラノの支配権を獲得し、
    14世紀末に神聖ローマ帝国に承認されミラノ公となる。

ミラーナ/Milana
⇒ミラノ/Milano
  ―現代におけるイタリアの最大の都市であり、
    商業、工業、金融の中心地となっている。
   
ヴァナラ/Venera
⇒ヴェネツィア/Venezia
  ―中世にはヴェネツィア共和国の首都であり、
    15世紀後半にはキリスト教圏で5本の指に入るほどの海軍を有していた。
    「アドリア海の女王」「水の都」「アドリア海の真珠」など、
    多くの異名を持つことでも知られている。


イタニア/Itania
⇒イタリア/Italia
  ―この物語の舞台にして、地理的には現存のイタリアと同じものだと考えられる。
「聖戦と死神」考察―地名と地図
聖戦のイベリアに続いてお次は「聖戦と死神」
とは言ってもこちらは史実に存在することをなぞったわけでもなく、
ただ地名を引用しただけなので、
それぞれの地名が対応している場所に書き入れて地図を作ってみました。

聖戦と死神

歌詞中の地名を実在したものに変えていくと大体こんな感じになります。

オッフェンブルグ⇒オッフェンブルク/Offenburg
―帝国自由都市として栄えるも、
  19世紀初頭に自由都市としての地位を失う。

プロイツェン⇒プロイセン/Preußen
―元々はバルト海沿岸の地方名であったが、
  18世紀の間に現在のドイツ北部を支配する強国となった。
 
フランドル⇒フランドル(そのまま)/Flandre
―オランダ南部、ベルギー西部、フランス北部をあわせた地方名。

ピレネー山脈⇒ピレネー山脈(そのまま)/Les Pyrénées
―「聖戦のイベリア」にも登場した、
  フランスとイベリア半島を隔てる山脈。

カスティリヤ⇒カスティーリャ/Castilla
―「聖戦のイベリア」にも登場した、イベリア半島の王国。
  国家合同をした後にも、その構成国として存立するが
  スペイン継承戦争で完全に消滅。

アラゴン⇒アラゴン(そのまま)/Aragón
―スペイン北東部の地方名。

ベルガ⇒ベルギー/Belgae
―ガリア地方北部に定住していたベルガエ人に由来し、
  中世よりオランダなどとあわせてネーデルラントと呼ばれ、
  当時の最も裕福な地方の一つでもあった。

ブリタニア⇒ブリタニア(そのまま)/Britannia
―グレートブリテン島南部がローマ帝国の属州だった時の名称。
  イギリスのラテン語名としても用いられる。

ドーバー⇒ドーバー(そのまま)/Dover
―言わずと知れたヨーロッパ亜大陸とイギリスを隔てる海峡であり、
  それに面した都市。
  地図中ではカンタベリーに近すぎて見にくかったので海峡の方を採用。

カンタベリー⇒カンタベリー(そのまま)/Canterbury
―イギリス南東部の都市であり、
  中世より巡礼地として栄える。

ロンバルド⇒ロンバルディア/Lombardia
―イタリア北部の地方名。
  中世にはミラノ公国などが成立するが、
  1861年にイタリア王国の一部となる。

ランカスター⇒ランカスター(そのまま)/Lancaster
―モーカム湾に面したイギリス北部の都市。
  中世より商業の街として栄え、
  19世紀にはイギリスでも有数の活発な海港都市となる。

ガリア⇒ガリア(そのまま)/Gallia
―ローマ人による現在のフランス及びその周辺地帯の呼称。


追記にはこの地図製作にあたって考えたこと色々。
世界史に興味のある方はどうぞ…。
「侵略する者される者」考察―二つの宗教の対立
※この記事は「侵略する者される者」の後半部分であり、
  前半部分は侵略する者される者-イベリア半島史 となっています。



「嗚呼…教会の鐘を背中で聴きながら
 十字架を胸に抱き兵士は進んだ
 嗚呼…境界の山を軍馬で越えながら 
 見据えた丘の先には → 『赤い城塞』(Alhambra) (Alhambra)」

―718年のウマイヤ朝による西ゴート滅亡後における
 イスラーム圏とキリスト教圏の境界であるピレネー山脈。
 そしてグラナダの小高い丘に存在し、世界遺産でもあるアルハンブラ。
 アルハンブラはアラビア語で「赤い要塞」を意味し、
 その城壁の色から名づけられたと言う。

アルハンブラ
―アルハンブラ宮殿

 




さてここからはレコンキスタの具体的な内容というよりは
イベリア半島で巻き起こった二つの宗教の争いが中心になるため、
ここで当時のキリスト教とイスラームの非常にアバウトな紹介をしておきます。

キリスト教
始まり:ナザレのイエスがローマ帝国によって処刑された後、
     死後に弟子たちのもとへ現れ、それを受けた弟子たちが広めた。
特徴:神を唯一のものとしながらも、
    それは父なる神と子なる神イエスと精霊が一体となったものとしている。
    ⇒救済者であるイエスの神格化

イスラーム
始まり:キリスト教が誕生してから約600年後、
     大天使よりお告げを受けたムハンマドが広めた。
特徴:神は唯一で絶対の者である。
    ⇒イエスは預言者ではあるが神ではない。
    崇めるのは神であり、その姿を模した像であってはいけない。
    ⇒偶像崇拝への強い嫌悪。
    
    

「父を奪ったのは 十字を切る 啓典の民で」
―イスラーム圏では人頭税という税金を払えば
  ユダヤ教徒やキリスト教徒は「啓典の民」として居住を許された。
  「十字を切る」のはキリスト教徒なので、
  ここではキリスト教徒を指している。


「母を奪ったのは 従事で斬る 聖典の《兄弟》('akh)」
―聖典とはイスラームの経典である「コーラン」
  つまり聖典の兄弟とはイスラム教徒のこと。



「何故…人は 断ち切れないのだろう?
 争いを繰り返す 負の連鎖を
 弱い私は何を憎めば良い 嗚呼…やっと解った……」

―イベリア半島での争いを無力に眺める一人の少女の視点。


ここからの歌詞はキリスト教徒側とイスラーム側で
立場が次々と入れ替わります。


「侵掠者に奪われし 父祖の地を取り戻せ 」
―キリスト教側の視点。
―ウマイヤ朝によって支配された西ゴート王国
  (=キリスト教徒の地)を取り返すために
  レコンキスタを掲げて侵攻を開始する。


「侵略者が嗤わせる 血に塗れたる仔らが」
―イスラーム側の視点。
―ウマイヤ朝がイベリア半島を支配してから数百年が経過した頃には、
  ここに定住したイスラム教徒にとっては自らの土地であり、
  侵攻を繰り返すキリスト教徒こそが「侵略者」


「救済者を貶める異教徒は錆となれ」
―キリスト教側の視点。
―イスラームは救済者たる神の子、イエスを認めない。
  キリスト教徒はイスラームを「異教徒」とし攻撃を繰り返す。


「預言者は神ではない 多神教の偶像」
―イスラーム側の視点。
―イエスは神のお告げを受けた「預言者」ではあるが
  神の子ではなく人間であり、それを神格化するのは許せない。
  絶対である唯一神以外のものを崇め、
  像を作って崇めることなどイスラームにとってはもってのほか。





ということで今回は文章のみではありますが、
取り合えずの背景説明は終了。
後半部分はその内容よりも、いかに双方の思想が食い違い、
お互いを排撃しあってたが分かっていただけたら…と思います。
「侵略する者される者」考察―イベリア半島史

何番煎じかは分かりませんが
聖戦のイベリアの侵略する者される者の内容です。

まずは大きな地図で地名をば。
西ヨーロッパ

それではぜひ歌のほうを聴きながらご覧になってください!





「Celt Iberosの眷属が築いた 城壁を崩して」
―紀元前4000年近く、北アフリカよりイベリア人が移住。
 紀元前1000年紀、二度に渡ってガリアよりケルト人が移住。
 イベリア半島中央部で北のケルト人と南のイベリア人の文化がミックスされ、
 "ケルティベリアン"と呼ばれる文化が生まれる。
ケルティベリアン文化




「Carthageが踊った勝利の舞踏が 大地を震わせた」
―紀元前220年代、カルタゴの将ハミルカル・バルカがイベリア半島を征服。
 紀元前210年代、その子、ハンニバル・バルカはアルプスを越え、
 イタリアに侵入し、 ローマ共和国に対しカンネーにおいて
 史上稀に見る包囲殲滅による大勝利を収める。
ハンニバル



「Hispānia Rōmaが荒れ地を耕して 石を敷き詰めて」
―紀元前200年代、ローマの軍人スキピオは
 カルタゴの勢力圏であったイベリア半島を占領し、
 ハンニバルを破りカルタゴに勝利する。
 その後イベリア半島は共和制から帝政へと移ろいでいく
 ローマのもとで発展を遂げる。
ローマ


 

「Vandalsの軍が蛮勇を奮って 荒らして廻った」
―西暦400年代初頭、民族大移動の中でヴァンダル人がイベリア半島に侵入。
 略奪と破壊を繰り返し、その多くは定住することなく北アフリカへ抜ける。
ヴァンダル人の侵入



「Visigothsが継いだ亡国の遺産の 歴史と文化は」
―西暦400年代、ガリアに領土を持っていた西ゴート王国が、
 イベリア半島の諸部族を討伐。
 西暦500年代、フランク王国の拡大に伴ってガリアでの勢力を喪失し、
 イベリア半島経営を本格化させ、589年にはキリスト教への改宗を行う。
 西暦621年、スンティラ王のもとにイベリア半島の支配を達成。
西ゴート王国




「Umayyadによって異文化と出会って 花を咲かせた」
―西暦711年、イスラーム国家、ウマイヤ朝によって西ゴート王国は滅亡。
 ウマイヤ朝の寛大な異教徒政策により、
 キリスト教文化とイスラームの文化の融合が見られる。
ウマイヤ朝


Aragón=Catalunia ←→ Castilla=León 同盟を結んで
―西暦1479年、イベリア半島北部で勢力を持っていた
 カタルーニャ=アラゴン連合王国とカスティーリャ=レオン王国が、
 複数の国家を同じ君主が統治する同君連合となり、
 これよりスペイン王国と呼称される。
 西暦1100年代より高まっていたイスラーム勢力の駆逐による
 イベリア半島の再征服運動"レコンキスタ"は一気に加速することになる。
同君連合

 
Granada ← 陥落せば 積年の悲願 遂に『領土再征服完了!』(Reconquista)
―西暦1492年、イベリア半島南部の都市グラナダを占領。
 イベリア半島全土は再びキリスト教圏となり、ここにレコンキスタが終結する。
スペイン王国

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